「シェル美術賞2019」の実施について

作品募集に加え、過去の受賞・入選作家の継続的な支援プログラムを本年も実施

出光興産株式会社と昭和シェル石油株式会社(トレードネーム:出光昭和シェル)は、次世代を担う若手作家の発掘・育成を目的とする「シェル美術賞2019」を実施します。
創設63年目を迎える「シェル美術賞2019」は、新任2名を含む計5名の審査員による多彩な視点で審査を行います。また、学生支援企画や、昨年からスタートした「シェル美術賞 レジデンス支援プログラム」で構成します。

「シェル美術賞 レジデンス支援プログラム」は、「シェル美術賞」の過去の受賞・入選作家を継続的に支援するプログラムです。海外滞在や他国の作家との交流を通じ新しい刺激と気付きを得ることで、作家としてよりステップアップすることを目的に、フランス・パリのレジデンス施設「Cité internationale des arts(シテ・アンテルナショナル・デ・ザール)」での制作活動(渡航費、滞在費、住宅兼スタジオ費、フランス語レッスン受講費用等)を支援します。

◆シェル美術賞2019

実施概要

【応募資格】日本在住の40歳以下の方
※2019年3月31日時点、誕生日が1978年4月1日以降の方
※応募時、年齢、在学を確認できる証明書等のコピーを要添付
【募集作品】・平面作品でワイヤーによる壁面展示が可能なもの
・2017年以降に制作された新作で、他の公募展等で入選していない作品
・サイズ=162.0cm×162.0cm(S100号)以内
・厚さ、重量=15cm、30kg以内
【出品料】出品は1人3点まで(専門学校・大学・大学院生は括弧内の割引料金)
1点 = 7,000円(6,000円)
2点 = 11,000円(9,000円)
3点 = 14,000円(11,000円)
※高校生は無料、ただし出品は1人1点に限る。
【申込期間】07月01日(月)~ 08月30日(金) 必着
【作品搬入】09月21日(土)~ 09月22日(日)
【展覧会】12月11日(水)~ 12月23日(月) ※17日(火)休館
国立新美術館 展示室1B
【WEBサイト】https://www.idss.co.jp/enjoy/culture_art/art/index.html
【学生支援企画】①学生特別賞の設定、②出品料の割引、③展覧会入場料無料
【備考】追加情報は5月に発表します。

審査員紹介

今回の審査員は、以下の5名です。(敬称略)
・新藤 淳(国立西洋美術館主任研究員)
・角 奈緒子(広島市現代美術館学芸員)※新任
・中井 康之(国立国際美術館副館長)
・藪前 知子(東京都現代美術館学芸員)
・松井 えり菜(アーティスト、シェル美術賞2004入選作家)※新任

審査員プロフィール(敬称略)

新藤 淳 (Atsushi Shinfuji)
新藤 淳
1982年生まれ。美術史、美術批評。2007年東京藝術大学大学院美術研究科芸術学専攻修士課程修了(西洋美術史)。同年より現職。共著書に『版画の写像学』(ありな書房)、『キュレーションの現在』(フィルムアート社)、『ウィーン 総合芸術に宿る夢』(竹林舎)、『ドイツ・ルネサンスの挑戦』(東京美術)など。展覧会企画(共同キュレーションを含む)に「かたちは、うつる」(2009年)、「フェルディナント・ホドラー展」(2014-15年)、「No Museum, No Life?-これからの美術館事典」(2015年)、「クラーナハ展-500年後の誘惑」(2016-17年)、特別展示「リヒター/クールベ」(2018-19年)など。

Comment

新元号のもとで開かれる今年のシェル美術賞が、これまでとは違った時代の「平面」のゆくえを占えるような場となったら――などと、都合のよい決まり文句でしかない希望を無邪気に口にするなら、それはきっと愚かしいことでしょう。芸術と呼ばれるものは、短期的な時代の移り変わりとは無縁にあってもいいし、ときにはむしろ、そこから決然と距離をとるべきなのだから。けれどそれでも、いまの世界をもっともらしく覆っている心性やコンセンサス、そしてわたし(たち)自身の手垢にまみれた認識や価値基準を大胆に壊してくれるもの、あるいは一見控えめでも、それらに抵抗して別なる解を編もうとするもの、そうした野蛮であれ慎重であれ、反時代的なオルタナティヴであろうとする意志や行為であるような作品を、任期最後となる今年も変わらずお待ちしています。

角 奈緒子 (Naoko Sumi)※新任
角 奈緒子

撮影:花田 憲一

1974年広島県生まれ。2005年、成城大学大学院文学研究科美学・美術史専攻修士課程修了(西洋美術史)。2006年より広島市現代美術館にて勤務。これまで企画した主な展覧会は、「金氏徹平展 splash & flake」(2007)、「西野達展 比治山詣で」(2007)、「この素晴らしき世界:アジアの現代美術から見る世界の今」(2011-12)、「俯瞰の世界図」(2015)「世界が妙だ! 立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画」(2016-17)、「松江泰治|地名事典」(2018)など。

Comment

このたび、審査員を務めさせていただくこととなりました。伝統あるシェル美術賞の審査に関わることができ、大変光栄です。平面/絵画は難しい?構成要素はいたってシンプルで、支持体とそこに定着されるメディウム。歴史を振り返れば、すでにあらゆることがやりつくされた感じも否めませんが、決して廃れてしまうことなく誰かしらがいつも挑戦しつづけます。そして、新しいなにかがきらりと輝き、観る側にしかと静かに訴えかけているはずです。そうした作品との出会いを楽しみに審査に臨みたいと思います。

中井 康之 (Yasuyuki Nakai)
中井康之

撮影:福永 一夫

1959年東京都生まれ。1990年京都市立芸術大学大学院修士課程修了。同年西宮市大谷記念美術館に学芸員として勤務。1999年より国立国際美術館に勤務、2018年より現職。主な企画展に「美術館の遠足(藤本由紀夫)」展(1997)、「パンリアル創世紀展」(1998)、「もの派-再考」(2005)、「アヴァンギャルド・チャイナ-〈中国当代美術〉二十年」(2008)、「世界制作の方法」(2011) 、「フィオナ・タン-まなざしの詩学」(2014-15)、「クリスチャン・ボルタンスキー-Lifetime」(2019)等(共同企画含む)。他、2005年第11回インド・トリエンナーレ展日本側コミッショナー、2013年「楽園創造(パラダイス)-芸術と日常の新地平-」(αMギャラリー)企画担当。主な論考に「日本に於いて絵画を制作すること」(第11回インド・トリエンナーレ展)“Qualia in Ephemera(儚さの美学)”、 City_net Asia 2005カタログ、「もの派―再考」『もの派―再考』展カタログ2005年、「1970年代における個と集団の論理」『日本の20世紀芸術』平凡社2014年等。現在、ウェブマガジンartscapeで「学芸員レポート」を寄稿。

Comment

「絵画は可能か」
写真術が誕生した19世紀初頭以降、「絵画の死」と「絵画への回帰」といった言説に表されているように、絵画の衰退が謳われて久しい。21世紀を迎える頃には主役の場をその「写真」に奪われたかのような状況を迎えたことは事実である。「芸術作品」が表現すべき内容もポリティカル・コレクトネス、あるいはソーシャリーエンゲイジド・アートのような現実社会への変革の可能性を問いかけられるようなものとなり、「絵画」をはじめとした純粋芸術の位置は危うい状況にある。そのような現状を踏まえ、あらためて「絵画」の可能性を問いかけるような時代を超越した表現と出会えることを日々夢想するものである。

藪前 知子 (Tomoko Yabumae)
藪前知子
1974年東京都生まれ。東京都現代美術館学芸員。これまで企画担当した主な展覧会は、「大竹伸朗 全景 1955-2006」(2006)、「MOTコレクション 特集展示 岡﨑乾二郎」(2009)、「山口小夜子 未来を着る人」(2015)、「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」(2015)、「MOTサテライト 2017春 往来往来」(2017)、「100年の編み手たち:流動する日本の近現代美術」(2019)(以上、東京都現代美術館)など。札幌国際芸術祭2017の企画チームに参加。キュレーションの他に、雑誌、ウェブ、新聞等に日本の近現代美術についての寄稿多数。

Comment

二年間審査させていただいて、審査員の傾向の変化か、応募される作品の様式のバリエーションが増え、しかもそれぞれが一目でわかる個性を作り上げていて感じ入りました。しかし、様式は違えど、異なるレイヤーを多重焼付けしたような饒舌さ、その組成の方法には共通点が多く見受けられ、今日絵画というメディアが、どのような危機感のもとにあるのかを知らされるような思いがありました。貧しいこと、寡黙であることを受け入れつつ、絵画でしか為しえない感覚をいかにつかむことができるかに興味があります。

松井 えり菜 (Erina Matsui) ※新任
松井 えり菜
1984年、岡山県生まれ。2008年多摩美術大学卒業後、2010年東京藝術大学大学院美術研究科修了。2004年に自画像『エビチリ大好き』で『GEISAI#6』金賞を受賞。同作品はパリ・カルティエ現代美術館のコレクションとして収蔵される。2012年には平成24年度文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてベルリンに派遣される。帰国後2016年に霧島アートの森にて大規模個展『顔の惑星』を開催するなど国内外で精力的に活動中。近年では、自画像やウーパールーパーをモチーフとした作品を多く制作する一方、西洋画や少女マンガの手法を用いた新たな自画像表現を模索している。

Comment

この度はシェル美術賞の審査員を務めることになり大変光栄に思います。
15年前、この賞で私がいただいたのは大賞でも審査員賞でもなく入選です。その後がむしゃらに現代美術街道?を走り続けたものの、ただの入選作家の一人である私が審査員を務めることになったのは、ほとんど巡り合わせの賜物です。
しかしチャンスや良いタイミングは自分からやって来てくれるわけではありません。平面作家は常に描き続け、同時に外との接点を積極的に作ることも大切であることをシェル美術賞は教えてくれました。
2019年にシェル美術賞が開催されることは皆さんにとってのチャンスかもしれません!受賞を偶然でなく必然とする作品のご応募をお待ちしております。

◆シェル美術賞 レジデンス支援プログラム

実施概要

【滞在先】Cité internationale des arts(フランス/パリ)
18 rue de l‘Hotel de Ville, 75004 Paris France
WEBサイト: http://www.citedesartsparis.net/
【実施期間】2019年12月3日(火)パリ着~2020年1月27日(月)パリ発 約2ヵ月間
【人員】1名
【応募資格】シェル美術賞2009~2018に受賞・入選した者の中から以下に該当する者
  • 本プログラムの応募・滞在スケジュールで渡航滞在が可能な者
  • 2019年3月31日現在、20歳以上40歳以下で、本プログラムに強い意志を持つ者
  • 英語(或いはフランス語)の語学力は特に重要。滞在中、スタッフや他国の作家との意思疎通がきちんと図れ、十分にコミュニケーションが取れる者(書類選考通過者は英語 による面接有り。また現地でフランス語のクラスを取っていただきます。)
  • 6月14日(金)、15日(土)の二次選考面接に出席できる者(Skype面接も可)
  • ヴィジュアルアートの分野での作品制作、展示実績が3年以上ある者
  • 滞在中、和英で数回の滞在レポートとビデオレターの製作ができる者
  • 滞在の終わりにオープンスタジオを開催できる者
  • 心身共に健康で滞在制作に支障の無い者
【支援内容】①海外渡航費の実費(上限は東京⇔パリの往復エコノミー航空券 相当の金額)
②滞在費 1日(1,000円)×現地滞在日数
③住居兼スタジオ(wifi、パリの美術館PASS付)
④Cité internationale des artsでのフランス語レッスン受講費用
【応募受付期間】04月08日(月)~ 04月23日(火) 必着
【応募方法】WEBサイトから「レジデンス支援プログラム申込フォーム」をダウンロードの上、事務局へ郵送応募
【選考方法】
①一次選考(書類)
5月中旬
②二次選考(面接、地方在住の場合はSkype)
6月14日(金)もしくは15日(土)
③最終選考
6月末
④結果発表
7月上旬
【WEBサイト】https://www.idss.co.jp/enjoy/culture_art/art/residencyprogram.html

レジデンス施設概要

Cité Internationale des Artsは、パリ市中央部、セーヌ川沿いに位置するアーティスト・イン・レジデンス施設で、1965年に設立。現在では、シテとモンマルトルに約320戸のスタジオ兼住居を保有し、100ヵ国以上からのアーティストを受け入れて滞在制作の支援を行っている。領域は美術だけでなく、音楽、映像、ダンス、小説など様々。世代は青年以上、年齢制限は無く、幅広く多様な人たちが世界中から集まり、アーティスト同士が互いに交流し、刺激を与えあうことを、このレジデンスの特長としている。
施設は、スタジオ兼住居(約20㎡~)、販売工房の他、多くのギャラリー、コリドーギャラリー、講堂があり、自室を使ったオープンスタジオと合わせて毎週様々なイベントが開催され、滞在するアーティストの他、外からの来場者も集まり交流を図っている。また、新しいレジデントは月に1回の食事会で全員に紹介される。フランス語を学ぶ授業も週に2回行われ、その手助けをしている。

施設外観

施設外観

場所はMETRO7号線 Ponto Marie駅出口から0分

場所はMETRO7号線 Ponto Marie駅出口から0分

Cite Internationale des Arts Benedicte ALLIOT館長

Cité Internationale des Arts
Bénédicte ALLIOT館長

Comment for Artists

親愛なるアーティストの皆さん
1965年の創立以来、Cité internationale des artsではその326のアトリエ住居へ世界のあらゆる地域、あらゆる分野のアーティストを受け入れて来ました。毎年1200人を超えるアーティストが滞在し、創設以来の総数は2万2千人を超えました。それにより当館はパリ、そしてフランス、ひいては国際的な文化シーンの第一級の担い手となっています。
アーティスト・イン・レジデンスは、プロとしてのアーティストのキャリアに不可欠なひとつのステップです。Cité internationale des artsが提案するレジデンスモデルの基本をなすのは、アーティストのサポート、滞在中の他のアーティストたちとの出会い、フランスや世界中のプロフェッショナルな芸術界への橋渡しです。常にクリエーターたちの要望に応じたレジダンスを目指すCité internationale des artが、数多くの国際的パートナーと密接な連携をとっているのはまさにそのためなのです。
シェル美術賞とのパートナーシップを受けて、2018年に大城夏紀さんの滞在によりスタートした私たちと日本、そしてそのアーティストの皆さんとの交流を今年も継続できることに大きな喜びを感じております。このパートナーシップの目的は、各人に合わせた滞在プログラムを享受し、Cité internationale des artに滞在する世界中のアーティストのコミュニティーに参加する機会を日本のアーティストにご提供することです。
皆さんが、Cité internationale des artとシェル美術賞のユニークな日仏コラボレーションを発見し、ぜひ第二回レジデンスプログラムにご応募くださることを心から期待しています。

以上

~お問い合わせ先~

出光興産株式会社
昭和シェル石油株式会社
広報部 広報課 
TEL:03-6689-5333

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