「シェル美術賞2017」受賞作品決定

-グランプリ・新設の学生特別賞を含めた受賞・入選作品54点を選出-

 昭和シェル石油株式会社(東京都港区台場2-3-2・代表取締役社長 グループCEO 亀岡 剛)は、多彩な視点からの審査や学生支援企画など新たな取り組みを行った「シェル美術賞2017」の受賞作品を決定しました。受賞作品は、グランプリ作品1点:町田帆実氏『食事』、本年新設の学生特別賞2点:大阪芸術大学大学院 関野凜太郎氏『anemone』、多摩美術大学 吉岡瞳氏『アマゾン』を含む計8点です。

 次世代を担う若手作家を対象とした「シェル美術賞」は、1956年の創設から61年目(46回目)を迎えました。新たなスタートとなった本年は606名の作家から852点(昨年比+61点)の作品応募があり、島敦彦氏(金沢21世紀美術館館長)、新藤淳氏(国立西洋美術館研究員)、能勢陽子氏(豊田市美術館学芸員)、橋爪彩氏(アーティスト・シェル美術賞2004受賞作家)、藪前知子氏(東京都現代美術館学芸員)の5名により、厳正な審査を行いました。

 なお、受賞作品8点に入選作品46点を加えた計54点は、12月に国立新美術館で開催する「シェル美術賞展2017」にて展示し、会期中に表彰式を行う予定です。

 
グランプリ受賞作品 町田帆実『食事』

グランプリ受賞作品
町田帆実『食事』

学生特別賞受賞作品 関野凜太郎『anemone』

学生特別賞受賞作品
関野凜太郎『anemone』

学生特別賞受賞作品 吉岡瞳『アマゾン』

学生特別賞受賞作品
吉岡瞳『アマゾン』


  • 展覧会「シェル美術賞展2017」概要

     本年の受賞・入選作品を展示する「シェル美術賞展2017」を12月13日(水)から国立新美術館で開催します。会期中には、審査員と今回の受賞作家によるアーティストトークも実施します。
     また、過去受賞・入選作家の活動サポートを目的とする、審査員および当社推薦の過去受賞・入選作家4名の作品展示 「シェル美術賞 アーティスト・セレクション(SAS)2017」も併設展示します。SAS出展作家のプロフィール、展示予定作品、推薦者コメントについてはシェル美術賞公式webサイトをご覧ください。


    展覧会名
    「シェル美術賞展2017」
    会期
    12月13日(水)~12月25日(月) ※19日(火)休館
    時間
    10時00分~18時00分(入館締切17時30分)
    ※15日(金)、22日(金)は20時00分(入館締切19時30分)まで夜間開館
    ※最終日25日(月)は、16時00分(入館締切15時30分)まで開館
    会場
    国立新美術館 1階展示室1B(東京都港区六本木7-22-2)
    TEL:03-6812-9921 ※会期中のみ
    入場料
    一般400円
    ※学生、70歳以上の方、障がい者手帳等持参の方(付添の方1名含む)は無料
    ※シェル美術賞公式webサイトにて、100円割引券をダウンロードできます
    展覧内容
    ■ シェル美術賞2017受賞・入選作品 計54点
    ■ SAS作品展示
    ・柴田七美 (2013入選)
    ・西村有 (2006入選、2013保坂健二朗審査員奨励賞)
    ・竹中美幸 (2012島敦彦審査員奨励賞)
    ・熊野海 (2010家村珠代審査員賞)
    関連イベント
    ■ 受賞作家によるアーティストトーク
    12月16日(土) 14時00分~15時00分
    聞き手:島敦彦審査員
    ■ みらいを奏でる音楽会 by シェル美術賞展
    12月22日(金) 18時00分~18時40分
    協力:出光興産株式会社
    ※ブライターエナジーアライアンスにおける協働活動としてのイベントです

本件に関するお問い合わせ先

【報道関係】昭和シェル石油株式会社 広報部(担当:河口) TEL:03-5531-5793
【一般】シェル美術賞事務局 TEL:03-5225-0502



  • 「シェル美術賞2017」受賞作家8名の作品情報・プロフィール・コメント
    ※画像データ、作家への取材などは、『お問い合わせ先』までお願いします。
    ※その他、入選作家・作品情報に関しては、シェル美術賞公式webサイトをご覧ください。

グランプリ
グランプリ 町田 帆実
作家名 :  町田 帆実 (Homi Machida)
作品名 : 食事
制作年 : 2017
サイズ : 130×162 cm
技法 : アクリル・コラージュ・キャンバス
プロフィール :
1994年生まれ 東京都在住
2017年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程 絵画専攻油画研究領域1年在籍
2015年 グループ展「University」(ギャルリーくさ笛)
グループ展「Growing Pain」(GALLERY FREAK OUT)
虹かけ教室 大小交換展示プログラム
2016年 グループ展「旭美展revenge」(市民ギャラリー矢田)
二人展「なるまち」(ギャルリーくさ笛)
2017年 平成28年度第40回東京五美術大学連合卒業・修了制作展(国立新美術館)
グループ展「カタチアソビ」(フリュウ・ギャラリー)
神奈川県相模原市「やすらぎの道立体」壁面絵画設置

■受賞のことば
グランプリという大きな賞をいただきましたことを、嬉しく思います。コンペティションにおいて、賞をいただくこと自体、初めてのことなので、結果のお知らせをいただいた時は、とても驚きました。これから制作活動を続けていく中で、背中を押してくれるような、大切な経験になりました。この気持ちを忘れずに、これからもたくさんの新しい作品を、生み出し続けていきたいです。

■シェル美術賞応募動機
大学院に入学してから、自分の作品をもっと沢山の人に見てもらいたいという思いが強くなりました。そこで、外へ発信するための一歩として、応募を決めました。

■創作テーマについて
記憶に残っている風景をモチーフに、ひとつひとつ思い出しながら、色を置いています。記憶とは、曖昧で不確かなものであるために、細部まで描く事ができません。少ない筆数でも、人や物、空間を把握できる私達の頭には、沢山の記憶が詰まっていることがわかります。
最近は、誰の記憶にも存在している「食」をテーマに、制作しています。景色の記憶だけでなく、舌や鼻や耳の記憶まで呼び起こすような作品を目指しています。

■受賞作品について
毎日繰り返している「食事」という日常的な行為も、誰と、どこで、何を食べたのかによって、それぞれに鮮やかな記憶があると思います。
おおらかなタッチや余白から想像が膨み、鑑賞者の記憶の中にあるいつかの食事風景を、呼び起こせるような作品にしたいと思い、描きました。改めて、食の持つ楽しさや豊かさ、幸せを実感してもらいたいと思っています。

■今後の目標
いつか、美術館で個展ができるような作家になりたいです。そのために、目の前のキャンバスを良い絵に仕上げ、外に向けて発信するためのチャレンジをし続けていくことが目標です。
絵を描くことを一生続けていきたいです。

島敦彦審査員賞
島敦彦審査員賞 末松 由華利
作家名 :  末松 由華利 (Yukari Suematsu)
作品名 : 何でも思い通りになると思っていたのでしょう?
制作年 : 2017
サイズ : 130×162cm
技法 : アクリル・キャンバス
プロフィール :
1987年生まれ 東京都在住
2010年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
2008年 シンワアートミュージアム via art2008 藤本幸三(エルメスジャポン)審査員特別奨励賞
2010年 平成21年度第33回東京五美術大学連合卒業・修了制作展(国立新美術館)
2014年 2014NIIGATAオフィス・アート・ストリート 新潟商工会議所特別賞
2017年 中条アーティスト・イン・レジデンス 選出・成果発表展

■受賞のことば
作品を生み出す作業は、真っ暗な夜道をただ一人で、前も後ろも、右も左もわからず歩くことと、よく似ています。
そんな孤独で不安な道の途中、ふと誰かに行き逢い、言葉を交わし、背中を押してもらえた。
今回の受賞は私にとって、そのような出来事です。
道しるべの無いこの道で、このようにして誰かの目に留まり、作品を通して心を通わせることができ、とても嬉しく思っております。ありがとうございました。

■シェル美術賞応募動機
自身のしていることが、他者にはどのように見えるのか。
確かめたり、試したりしてみたく、応募しました。

■創作テーマについて
私たちの生きるこの世と、この世に生きる私たちについて、深く知りたいと願い制作しています。
不都合な事物、矛盾を孕んだ感情などを拾い集めて描くことで、現実での出来事を咀嚼し、ようやく自身の中に落とし込めるような気がします。

■受賞作品について
長い物語の一部のような、たくさんあるページの中の一枚のような作品です。
作品の完成を決めて筆を置き、それから何年も後になって、ようやく自身の作品と冷静に対話できるようになります。
まだ、作品を手放した時の感触が生々しく、これがどのような作品だったのか把握しきれていませんが、自身よりも先にこの絵と対話してくださった方がいるということは、嬉しくもあり、照れくさくもあります。

■今後の目標
生涯をかけて取り組めるものに、幸か不幸か出会ってしまいました。
これから先もまた、真っ暗で長い道程を一人歩き続けるつもりです。
だけれども、今回のように、誰かに行き逢い、背中を押してもらった経験は、この先を歩き続ける原動力として、永く私に寄り添ってくれるように思います。

新藤淳審査員賞
新藤淳審査員賞 野中 美里
作家名 :  野中 美里 (Misato Nonaka)
作品名 : みちびかれていく
制作年 : 2017
サイズ : 112×162cm
技法 : テンペラ・油彩・パネル
プロフィール :
1995年生まれ 東京都在住
2017年  武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻4年在籍
2015年  第11回世界絵画大賞展 南嶌宏賞
武蔵野美術大学展示大賞 ファイン部門優秀賞
武蔵野美術大学造形学部油絵学科進級制作 遠藤彰子賞
2016年  個展「つながっていく」(武蔵野美術大学課外センター)
武蔵野美術大学造形学部油絵学科コンクール Aコース賞
2017年  グループ展「世界があまりにもカラフルだから、」(デザインフェスタギャラリー原宿)

■受賞のことば
このような賞を頂き大変光栄に思います。まだ夢の中のような不思議な気持ちと、これからたくさんの方に作品を鑑賞していただける良い緊張感があります。この賞は、今の私にそっと背中を押してくれた存在です。今の状態にけして満足することなく制作に励んでいきたいと考えています。

■シェル美術賞応募動機
学内だけでなく、外に作品を出すことでたくさんの方の目に触れて素敵な機会だと思いました。自分の作品と他の方作品を見比べることによって、自分の作品を厳しい目みることができると考えたため応募しました。

■創作テーマについて
私は、幼い頃の経験から色があるものに生を感じます。自然を取り巻く風景を視点、つながり、揺らぎなど線や色を脈打つように引くことで、私がみつめる場所を描いています。

■受賞作品について
自然はいつも大きく私を包み、怖いくらい強さを感じます。そこから見た風景は、明るく、果てしなく、揺れを感じます。 今作では特定の場所を描いているのではなく、実際に自分が体験している場所を何枚も重ねて1つの風景を構成しています。筆で一つ一つ触れ、自分と場所を確かめるように描いています。

■今後の目標
今一番近い目標は、卒業制作中のため、4年間で学んだ集大成になるような作品ができればと考えています。 いずれは学内でしか個展を行ったことがないため、より多くの方に作品をみていただける場所で個展を行えるよう日々努力していきたいと思います。

能勢陽子審査員賞
能勢陽子審査員賞 花沢 忍
作家名 :  花沢 忍 (Shinobu Hanazawa)
作品名 : remember
制作年 : 2017
サイズ : 111×144cm
技法 : 油彩・キャンバス
プロフィール :
1989年生まれ 神奈川県在住
2013年  第2回宮本三郎記念デッサン大賞展 山本容子賞
2015年  トーキョーワンダーウォール公募2015 入選
個展「うつつ」(Bambinart Gallery)
グループ展「ON CANVAS」(Bambinart Gallery)
2016年  個展「TWS-Emerging 255 Conspiracy of ecstasy」(トーキョーワンダーサイト渋谷)
「TAMA VIVANT Ⅱ 2016」(多摩美術大学八王子キャンパスアートテーク・ギャラリー及び多摩市立複合文化施設パルテノン多摩特別展示室)
第19回岡本太郎現代芸術賞 入選

■受賞のことば
この度は能勢陽子審査員賞という素晴らしい賞を頂き誠にありがとうございます。この様な賞を頂けて今後も活動していく上で大変な励みになりとても嬉しいです。良い絵とは何か、ここ日本において絵を描き続けるとはどういう事か、迷いながら考えながら制作しておりました。この絵はその直接的な答えにはなりきれずとも、自分の中で一つの慰めのようにも見えます。鑑賞する方に少しでも何か、触覚的な体感として残ればと思います。

■シェル美術賞応募動機
久しぶりに絵を描いていて、なかなか終わらず期限を決めて描こうと思ったのが最初の動機ですが、 調べていくうちにこのシェル美術賞の審査員の方々にぜひ作品を見ていただきたいと感じ応募しました。

■創作テーマについて
生も死も境界線はなく、生命の円環そのものがゆるやかに回り続ける世界。聖や俗、美しさと醜さ、苦痛と恍惚、愛と死、あらゆる二項対立的に存在するものは全て浸透し合い、一つの世界そのものだと思う。天国だ、と人は言うけれど、本当は記憶の奥に、今目の前に、帰りがけの道端にそのような世界は存在する。 愛をもって祈るように絵を描くことで、愛おしい誰かに届くといい。

■受賞作品について
まず三人の天使を描きました。それから生に必死な人や祈り泣く人、笑う人、それらを許す世界と光、自然、見守る人達。生きているということは死を祈ることや愛を吐き出すことを許されているということだと思います。何を考えつづけ何を問い続ければいいか、分からないまま描いたけど、最後に大事な友達のワンちゃんを描きました。現実的な側面はその一つですが、それが一番愛おしく天使に近く見えたので、私はこの作品が好きになれました。

■今後の目標
流行に流されず、目の前のものだけを、目に見えるものだけを見ず、軸をぶらさず、沢山絵を描き、展示をし、全ての出会いを大事にしながら、大昔の巨匠にならい死ぬまで変化する自分の作品を見続けたいです。

藪前知子審査員賞
藪前知子審査員賞 三谷 めめ子
作家名 :  三谷 めめ子 (Memeko Mitani)
作品名 : これはまるで漂流
制作年 : 2017
サイズ : 91×116.7cm
技法 : 油彩・キャンバス
プロフィール :
1992年生まれ 神奈川県在住
2013年  女子美術大学短期大学部絵画コース卒業
2012年  グループ展「微熱のあのこ」(DESIGN FESTA GALLERY)
2014年  グループ展「第二回ヴァニラ画廊大賞展」(ヴァニラ画廊)
幽霊画展2014 幽霊画展賞
2015年  “KITAJIMA/KOHSUKE”#12 ~果ての二十日の81~(カタ/コンベ)
2016年  グループ展「with BLUEMOON BEER」(SPACE M)

■受賞のことば
世のため人のためといった雰囲気でもなく技巧派でもなくお洒落でもない絵なので、賞を頂けるとは正直思っていませんでした……。もちろんとても嬉しいのですが、同時にすこしプレッシャーのようなものも勝手に感じたりしました。精進して参ります。自己満足的で「チラシの裏にでも描いてろ」と言われそうな作風なのでつい弱気になりがちですが。描きたい絵がある限り描くことは続けていこうと改めて思う機会となりました。

■シェル美術賞応募動機
まだまだ模索中の身であるし色々とコンプレックスまみれで、画家と自称しづらい自分に長年悶々としていたんです。それで、若手作家の登竜門としてよく聞くコンペに入選でもすれば多少コンプレックスが薄まるだろうか、と思い応募してみました。

■創作テーマについて
ごく個人的で他人からはあまり理解してもらえないような悩みや痛みでも「私が辛いって言ってるんだから辛いんだ、それは事実なんだ」と吠えるようなつもりで描いています。元々は他人が作ったそのような漫画や音楽を勝手に心の支えにしてこれまでの人生をなんとか乗り切ってきた側で。中三くらいから自分でも制作するようになり、それが今も続いているというかんじです。別に「この路線で貫くぞ」と決めているわけではないのですが、ついこういう題材ばかり描きがちです。

■受賞作品について
幼い子が言う〝将来の夢〟が叶わないのはわかるけれども、「きつくない範囲で働いて、そこそこ楽しく穏やかに暮らす」といった平凡なレベルの望みですら実現・維持するのは実は容易ではないものだと二十代も半ばに差し掛かった今頃やっと気づきまして。他人の敷いたレールを往くわけじゃない、かと言って確信あって道を拓いて往くでもない私……の情けなさ・未来の見えなさばかり頭をぐるぐるしていた時期でしたので、そういう不安な心情と祈りを描きました。夜明けを信じて頑張るしかない。

■今後の目標
ひとまずはよいコンディションで活動できる生活サイクルを見つけて癖付けて、展示や公募展応募といった発表することと作品制作を精力的にできるようにしなければと思っています。そしてコツコツあーでもないこーでもないなどとしながらブラッシュアップされてくうちに「これだ」という自己の理想的な作品像が見えて作家として強くなれたらいいなと思います。

橋爪彩審査員賞
橋爪彩審査員賞 矢島 智美
作家名 :  矢島 智美 (Tomomi Yazima)
作品名 : かたち (4)
制作年 : 2017
サイズ : 112×145.5 cm
技法 : 油彩・キャンバス
プロフィール :
1992年生まれ 埼玉県在住
2017年  多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程 絵画専攻油画領域1年在籍
2017年  第22回福沢一郎賞 福沢一郎賞
グループ展「TAMABI select Art Exhibition -3-」(多摩美術大学八王子キャンパス)
グループ展「第4回未来展」(日動画廊)

■受賞のことば
本当に驚いています。予想もしていなかったので、未だにあまり実感がありません。 知らせを受けたときの嬉しさと不安が一緒になったような不思議な気持ちは初めて味わいました。このような賞をいただけたのは私個人の努力だけではなく、日頃支えてくれた人達がいたからこそだと思っています。 私は、ただただ毎日絵を描くことに生きてきました。そういう生き方に満足していますし、絵で生きていくことが夢です。今回認めていただけたことで、自分の目指す未来への道が少し開けた気がしています。

■シェル美術賞応募動機
同じ夢を持つ人がたくさんいる中で、自分がどこまで通用するのか試したいという思いが私の中にずっとありました。そこで、自分自身への挑戦という意味で伝統のあるシェル美術賞に応募しました。

■創作テーマについて
対象の持つ潜在的なエネルギーを表現することを目的に制作しています。私の日常に何気なく存在しているものをモチーフとし、そのモチーフの持つ独特な雰囲気を抽出して、絵具の質量やマチエルによって表現しています。モチーフの持つ味わいを表すことに注目しているので自然と輪郭は曖昧になり、作品に表出したイメージはより抽象的な印象になります。モチーフの表面的ではない、心の奥底に働きかける「かたち」を描いています。

■受賞作品について
時代の最先端を走る東京の街中で、ポツンと残った古い家に目がとまったのです。見た瞬間に描きたいと思い、制作に取りかかりました。建物としては弱々しくて今にも壊れてしまいそうなのに、その強い存在感に圧倒されました。 このモノの存在してきた時間の長さは絵具の重みに、混沌とした魅力は溢れる色彩に、ボロボロになった建材の物質感は絵具のマチエルに…と、モチーフの魅力をまとめて表現しようと思い描きました。

■今後の目標
今回私の作品を認めていただけたことは大変嬉しいです。夢への一歩は嬉しくもあり、同時に不安でもあります。
楽しいことよりも辛いことの方が多い制作を続けてきました。それでも後悔していないのは、絵を描くことが好きだからだと思います。制作を続けることは簡単なことではありませんが、絵が好きだという気持ちを大切にして、認めて頂けたことを心の支えに描き続けていきたいです。

学生特別賞
学生特別賞 関野 凜太郎
作家名 :  関野 凜太郎 (Rintaro Sekino)
作品名 : anemone
制作年 : 2017
サイズ : 161×149cm
技法 : コーヒー・墨汁・ソフトパステル・木炭・柿渋・アクリル・パネルに綿布(新聞紙と和紙によるコラージュ)
プロフィール :
1993年生まれ 大阪府在住
2017年  大阪芸術大学大学院芸術研究科博士課程前期1年在籍
2017年  第63回全関西美術展 全関西美術展賞第三席

■受賞のことば
この度は歴史あるシェル美術賞において私の作品を選出していただきましたこと大変嬉しく思います。暗中模索の制作で果たして自分の表現が誰かに認めてもらえるのかという不安との戦いの日々でしたが、こうして評価していただき、多くの方に鑑賞していただける機会を得られたことは私にとってひとつの自信となりました。この経験を以後の制作に生かし、より一層精進してまいります。

■シェル美術賞応募動機
大学院に進学し、以前より自身の制作に納得できることが増え、公募展などにも挑戦したいという気持ちが強くなりました。そこで、歴史があり有数の公募展であるシェル美術賞で今の自分の力を試してみたいと思い応募しました。

■創作テーマについて
自身の内に秘めた哀しみと向き合う葛藤をテーマとして主に人物を描いています。負の感情は一見否定的に捉えられがちですが私の場合、かつてそこに喜びがあったからこそ相対的に成り立つもので、人生におけるひとつの財産であり、いつまでも想い続けていたいと考えています。そしてそういった想いをいつの日か無くしてしまわないよう絵画という表現へと昇華し、形あるものとして残すことが私の創作です。

■受賞作品について
この作品は日々私の中に蠢く哀しみや喜びを綴ったもので、有り体に言えば自画像のようなものです。しかし、それと同時にどこかに理解者がいて欲しいという思いが生み出した私と同じ感情を持つ誰かを描いたものなのかもしれません。描かれているのは人物ですが私が描きたい本質は想いそのものです。哀しみの前に喜びがあった、混沌とした形容し難い私の葛藤を絵の中の誰かが伝えられたら幸いです。

■今後の目標
まだ個展やグループ展等、作品発表の経験がありませんのでそういったことにも挑戦して行きたいです。やはり、多くの方の目に触れ意見をいただくことは自身のこれからの制作においても大きな糧となりますので、そういった機会があれば作品の質の向上へと繋げ、更に発表の場を広められたらと考えています。

学生特別賞
学生特別賞 吉岡 瞳
作家名 : 吉岡 瞳 (Akira Yoshioka)
作品名 : アマゾン
制作年 : 2017
サイズ : 82×116.5cm
技法 : サインペン・紙
プロフィール :
1992年生まれ 神奈川県在住
2017年  多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻3年在籍

■受賞のことば
学生賞受賞のお知らせを聞いたときはとても驚いて、とても嬉しかったです。
少し自分の作品に自信を無くしかけていて、勉強や制作をしていても悩んで手が止まってしまうことが多かったので、今回の受賞でまた自分の中で計画を立てて頑張る自信を頂きました。
この頂いた賞を励みにこれからも自分の制作を進めていきたいと思います。
ありがとうございます。

■シェル美術賞応募動機
たくさんの人に絵を見てもらってみたいと思ったのと、今回学生特別賞が新設されたと知ったので力試しを兼ねて応募させていただきました。

■創作テーマについて
小さい頃からインターネットが身近にあり、そこで見たり集めた画像や情報に大きな影響を受けてきました。
気に入ったものを集めて自分の手元にいったん置いておくことで自分の趣味や心象風景を深く理解することができたり、そこから客観的に自分を見つめ直したり、言葉を介さずに物事を考える楽しさを学びました。
その自身の癖のようなところから、今の情報やモノが溢れる時代の中でそれとどう身体感覚として付き合っていくかということに興味があり、現在のテーマになっています。

■受賞作品について
練習してきたことを試してみた作品で、それが評価いただけて嬉しいです。
まだまだこの作品がゴールではありませんが、この作品をきっかけにこれからも頑張っていきたいです。

■今後の目標
これからも現在の大学で学びながら制作を深めていきたいと思っています。
様々な作品に出会ったり、新しい手法を試したりして自身の作品の幅を広げていきたいです。

以上

ページトップへ遷移