1901~'10
この時代は新たな技術開発に伴う石油内燃機、自動車、飛行機の発明・そして相次いで世界各地で油田が発見され、各国で大規模な石油会社が設立され、やがて訪れる石油時代に布石が打たれていきます。
1800年代末期、横浜で貿易業を開始したサミュエル商会は1900年石油部門を独立させ、後年シェル石油となるライジングサン石油株式会社を設立し、照明用の灯油、ロウソクの販路を拡大していきます。やがてシェル・トランスポートとして発展したサミュエル商会はロイヤル・ダッチと合併してロイヤル・ダッチ/シェルとしてスタート、ライジングサン石油はシェルグループの日本の拠点として事業を展開していくことになります。
一方、国内では新潟県を中心とする日本海沿岸に油田が開発され、国産石油の生産が行なわれるなか、後年昭和石油の前身となる早山鉱油製造所、新津石油が設立されます。

創業
ライジングサン石油設立。横浜に本社を構える。
Shell
1833年
- 先代マ-カス・サミュエルがロンドンに東洋の貝殻を扱う店舗を開店。
これがシェルのトレ-ドマ-クの起源。
1876年
- ライジングサンの前身サミュエル商会、横浜で貿易業開始。
1890年
- ロイヤル・ダッチ・ペトロリアム社の前身ハーグで設立
1892年
- 新津恒吉、尼瀬で製油業を開始
1893年
- 横浜平沼油槽所、神戸和田岬油槽所が完成
1897年
- マーカス・サミュエル シェル・トランスポート&トレーディング社設立
社会事象
1847年
- 石油ランプ発明される
1859年
- E.ドレーク 米国で初の油田発見
1868年
- スタンダード石油会社 設立
1875年
- ノーベル兄弟 バクー油田に利権を得て近代的製油所を建設
1885年
- K・ベンツがガソリン三輪自動車を発明
1891年
- バク-油田で大噴油続出
1894年
- 日清戦争勃発
1899年
- 石油輸入関税実施
- スタンダ-ド石油がインタ-ナショナル石油を設立日本の石油事業に進出
- 1900年 (明治33年)
- サミュエル商会は石油部門を独立させ、ライジングサン石油株式会社を設立(資本金25万円)
- 1901年 (明治34年)
- 早山与三郎が新津に製油所を借り、早山鉱油製造所を起こす
- 増税のため、酒造税法改正、麦酒税法・砂糖消費税法公布
- 中部地方以西に金融恐慌波及
- 山陽鉄道、神戸-馬関(下関)間全通
- 米価暴騰、全国の米穀取引所売買を停止
- 官営八幡製鉄所スタート
- テキサスで大油田発見
- ガルフオイルの前身 ガッフィペトロリアム
- 1902年 (明治35年)
- イラン、イラクで油田が発見される
- 日英同盟協約、ロンドンで調印、即日実施
- テキサコの前身 テキサス石油設立
- モービル石油の前身 バキューム石油設立
- 1903年 (明治36年)
- サミュエル、デターディング、ロスチャイルドの3者によって、極東での販売会社アジアチック・ペトロリアム社設立
- 石油消費税実施
- 原油関税制定、翌年より実施
- 第5回内国勧業博覧会、 大阪市で開催
- 東京・大阪両市に中央郵便局・中央電信局設置
- 国定教科書令公布
- 東京日比谷公園開園
- 東京電車鉄道会社、新橋-品川間電車運転開始(東京最初の電車運転)
- フォード自動車会社(米)設立
- ライト兄弟、初の動力飛行に成功
- 1904年 (明治37年)
- 日露戦争はじまる
- 非常特別税法・貯蓄債券法・煙草専売法・同施行規則公布
- たばこの官営専売実施
- 甲武鉄道、飯田橋-中野間で電車運転開始(のちの中央線)
- 三越呉服店開業(デパートのはじめ)
- 1905年 (明治38年)
- ライジングサン石油 第2回日英同盟を記念して「同盟印ローソク」を販売。「雷神印」「鶴亀印」なども好評
- 非常特別税法改正・相続税法・塩専売法公布
- 日本海海戦
- 第2回日英同盟協約調印
- ポーツマス条約。日露講和条約調印
- 米国セントルイスに自動車給油所誕生
- 1906年 (明治39年)
- ライジングサン石油 灯油を殺虫剤として農業分野に進出
- 東北地方大飢饉
- 官設鉄道、新橋-神戸間に急行列車を運転
- 万国郵便条約調印
- 日露講和条約締結
- 日米直通の海底電線による電信開始
- 1907年 (明治40年)
- ロイヤル・ダッチとシェル・トランスポ-ト合併。
ロイヤル・ダッチ/シェルグループの誕生。
ライジングサン石油は、シェルグル-プの日本の拠点として事業展開
- 東京株式市場大暴落。日露戦争後の戦後恐慌勃発、景気沈滞
- 日露通商航海条約・漁業協約調印
- 外国郵便規則・外国郵便為替規則公布
- 日英共同出資の日本製鋼所を室蘭に設立
- ガルフ・オイル(米)設立
- 1908年 (明治41年)
- ライジングサン石油 ボルネオ、ラングーンからパラフィンを輸入してローソクを製造・発売
- ライジングサン石油 福岡・西戸崎に製油所建設着手
- スタンダード石油との競争激化
- 米国恐慌の余波で東京株式市場大暴落
- 石油消費税法公布、酒造税法・麦酒税法改正
- 第1回ブラジル渡航移民783人、神戸港を出発
- 米マサチューセッツ州で禁酒法承認
- 大阪市内電車、運転開始
- 米ゼネラル・モーターズ(GM)社設立
- 米フォード社、T型車を発売。ベストセラーとなり自動車の大衆化急進展
- 1909年 (明治42年)
- ライジングサン石油 西戸崎製油所竣工、オランダ領インドシナ産原油を輸入精製
- ライジングサン石油 資本金400万円に増資
- 特許法・意匠法・商標法・実用新案法公布
- 東京・本所に相撲の国技館開館
- 枢密院議長・伊藤博文、ハルビン駅頭で暗殺される
- 東京・山手線電車、品川-田端間、池袋-赤羽間開通
- アングロ・ペルシャン(英)設立
- 1910年 (明治43年)
- ロンドンで日英博覧会開幕
- 日野熊蔵陸軍大尉、代々木練兵場でグラーデ単葉機により日本最初の飛行に成功。
- メキシコで大噴油。世界最初の石油ガス生産

貝細工

マーカス・サミュエル


敷地調査
主要取扱商品
設立当初の主要商品は、ランプ用灯油、ローソク、ベンジンだった

第2回日英同盟を記念して
発売された同盟印ローソク

『雷神印』『鶴亀印』の
ローソクも好評だった
衣装用ベンジンのラベル
ライジングサン石油の製品広告
貝殻とならんで親しまれた
タンク印のラベル
設立当初の主要商品は、ランプ用灯油、ローソク、ベンジンだった


発売された同盟印ローソク


ローソクも好評だった



タンク印のラベル