シェル美術賞概要

シェル美術賞について

 シェル美術賞は、美術界に大きな影響を与えたシェル美術賞(1956年~1981年)、および昭和シェル現代美術賞(1996年~2001年)の合計31回の実績を経て、2003年に再開し、本年48回目の開催となる現代美術の公募展です。
 次世代を担う若手作家のための美術賞であり、創設当初より完全な公募制で実施しています。現在では「若手作家の登竜門」として、美術界で高い評価を頂いています。2019年は創設63年目を迎え、新任2名を含む計5名の審査員による多彩な視点からの審査、学生支援企画、また、昨年からスタートした「レジデンス支援プログラム」を本年も実施します。当社は、次世代育成を軸としたメセナ活動である「シェル美術賞」を通じて、若手作家の活躍を継続的に支援し、美術界の発展に貢献したいと考えています。今後も、無限の可能性を秘めた若手作家の応募と、受賞作家の方々の更なる飛躍を期待しています。

シェル美術賞2019 審査員の紹介(敬称略)

5名の審査により厳正な審査を行います。

■ シェル美術賞2019 審査員 新藤 淳(Atsushi Shinfuji)/ 国立西洋美術館主任研究員
新藤 淳
1982年生まれ。美術史、美術批評。2007年東京藝術大学大学院美術研究科芸術学専攻修士課程修了(西洋美術史)。同年より現職。共著書に『版画の写像学』(ありな書房)、『キュレーションの現在』(フィルムアート社)、『ウィーン 総合芸術に宿る夢』(竹林舎)、『ドイツ・ルネサンスの挑戦』(東京美術)など。展覧会企画(共同キュレーションを含む)に「かたちは、うつる」(2009年)、「フェルディナント・ホドラー展」(2014-15年)、「No Museum, No Life?-これからの美術館事典」(2015年)、「クラーナハ展-500年後の誘惑」(2016-17年)、特別展示「リヒター/クールベ」(2018-19年)など。

Comment

新元号のもとで開かれる今年のシェル美術賞が、これまでとは違った時代の「平面」のゆくえを占えるような場となったら――などと、都合のよい決まり文句でしかない希望を無邪気に口にするなら、それはきっと愚かしいことでしょう。芸術と呼ばれるものは、短期的な時代の移り変わりとは無縁にあってもいいし、ときにはむしろ、そこから決然と距離をとるべきなのだから。けれどそれでも、いまの世界をもっともらしく覆っている心性やコンセンサス、そしてわたし(たち)自身の手垢にまみれた認識や価値基準を大胆に壊してくれるもの、あるいは一見控えめでも、それらに抵抗して別なる解を編もうとするもの、そうした野蛮であれ慎重であれ、反時代的なオルタナティヴであろうとする意志や行為であるような作品を、任期最後となる今年も変わらずお待ちしています。

■ シェル美術賞2019 審査員 角 奈緒子(Naoko Sumi)/ 広島市現代美術館学芸員 ※新任
角 奈緒子
1974年広島県生まれ。2005年、成城大学大学院文学研究科美学・美術史専攻修士課程修了(西洋美術史)。2006年より広島市現代美術館にて勤務。これまで企画した主な展覧会は、「金氏徹平展 splash & flake」(2007)、「西野達展 比治山詣で」(2007)、「この素晴らしき世界:アジアの現代美術から見る世界の今」(2011-12)、「俯瞰の世界図」(2015)「世界が妙だ! 立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画」(2016-17)、「松江泰治|地名事典」(2018)など。

Comment

このたび、審査員を務めさせていただくこととなりました。伝統あるシェル美術賞の審査に関わることができ、大変光栄です。平面/絵画は難しい?構成要素はいたってシンプルで、支持体とそこに定着されるメディウム。歴史を振り返れば、すでにあらゆることがやりつくされた感じも否めませんが、決して廃れてしまうことなく誰かしらがいつも挑戦しつづけます。そして、新しいなにかがきらりと輝き、観る側にしかと静かに訴えかけているはずです。そうした作品との出会いを楽しみに審査に臨みたいと思います。

■ シェル美術賞2019 審査員 中井 康之(Yasuyuki Nakai)/ 国立国際美術館副館長
中井 康之
1959年東京都生まれ。1990年京都市立芸術大学大学院修士課程修了。同年西宮市大谷記念美術館に学芸員として勤務。1999年より国立国際美術館に勤務、2018年より現職。主な企画展に「美術館の遠足(藤本由紀夫)」展(1997)、「パンリアル創世紀展」(1998)、「もの派-再考」(2005)、「アヴァンギャルド・チャイナ-〈中国当代美術〉二十年」(2008)、「世界制作の方法」(2011) 、「フィオナ・タン-まなざしの詩学」(2014-15)、「クリスチャン・ボルタンスキー-Lifetime」(2019)等(共同企画含む)。他、2005年第11回インド・トリエンナーレ展日本側コミッショナー、2013年「楽園創造(パラダイス)-芸術と日常の新地平-」(αMギャラリー)企画担当。主な論考に「日本に於いて絵画を制作すること」(第11回インド・トリエンナーレ展)“Qualia in Ephemera(儚さの美学)”、 City_net Asia 2005カタログ、「もの派―再考」『もの派―再考』展カタログ2005年、「1970年代における個と集団の論理」『日本の20世紀芸術』平凡社2014年等。現在、ウェブマガジンartscapeで「学芸員レポート」を寄稿。

Comment

「絵画は可能か」
写真術が誕生した19世紀初頭以降、「絵画の死」と「絵画への回帰」といった言説に表されているように、絵画の衰退が謳われて久しい。21世紀を迎える頃には主役の場をその「写真」に奪われたかのような状況を迎えたことは事実である。「芸術作品」が表現すべき内容もポリティカル・コレクトネス、あるいはソーシャリーエンゲイジド・アートのような現実社会への変革の可能性を問いかけられるようなものとなり、「絵画」をはじめとした純粋芸術の位置は危うい状況にある。そのような現状を踏まえ、あらためて「絵画」の可能性を問いかけるような時代を超越した表現と出会えることを日々夢想するものである。

■ シェル美術賞2019 審査員 藪前 知子(Tomoko Yabumae)/ 東京都現代美術館学芸員 
藪前 知子
1974年東京都生まれ。東京都現代美術館学芸員。これまで企画担当した主な展覧会は、「大竹伸朗 全景 1955-2006」(2006)、「MOTコレクション 特集展示 岡﨑乾二郎」(2009)、「山口小夜子 未来を着る人」(2015)、「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」(2015)、「MOTサテライト 2017春 往来往来」(2017)、「100年の編み手たち:流動する日本の近現代美術」(2019)(以上、東京都現代美術館)など。札幌国際芸術祭2017の企画チームに参加。キュレーションの他に、雑誌、ウェブ、新聞等に日本の近現代美術についての寄稿多数。

Comment

二年間審査させていただいて、審査員の傾向の変化か、応募される作品の様式のバリエーションが増え、しかもそれぞれが一目でわかる個性を作り上げていて感じ入りました。しかし、様式は違えど、異なるレイヤーを多重焼付けしたような饒舌さ、その組成の方法には共通点が多く見受けられ、今日絵画というメディアが、どのような危機感のもとにあるのかを知らされるような思いがありました。貧しいこと、寡黙であることを受け入れつつ、絵画でしか為しえない感覚をいかにつかむことができるかに興味があります。

■ シェル美術賞2019 審査員 松井 えり菜(Erina Matsui)/ アーティスト、シェル美術賞2004入選作家 ※新任
松井 えり菜
1984年、岡山県生まれ。2008年多摩美術大学卒業後、2010年東京藝術大学大学院美術研究科修了。2004年に自画像『エビチリ大好き』で『GEISAI#6』金賞を受賞。同作品はパリ・カルティエ現代美術館のコレクションとして収蔵される。2012年には平成24年度文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてベルリンに派遣される。帰国後2016年に霧島アートの森にて大規模個展『顔の惑星』を開催するなど国内外で精力的に活動中。近年では、自画像やウーパールーパーをモチーフとした作品を多く制作する一方、西洋画や少女マンガの手法を用いた新たな自画像表現を模索している。

Comment

この度はシェル美術賞の審査員を務めることになり大変光栄に思います。
15年前、この賞で私がいただいたのは大賞でも審査員賞でもなく入選です。その後がむしゃらに現代美術街道?を走り続けたものの、ただの入選作家の一人である私が審査員を務めることになったのは、ほとんど巡り合わせの賜物です。
しかしチャンスや良いタイミングは自分からやって来てくれるわけではありません。平面作家は常に描き続け、同時に外との接点を積極的に作ることも大切であることをシェル美術賞は教えてくれました。
2019年にシェル美術賞が開催されることは皆さんにとってのチャンスかもしれません!受賞を偶然でなく必然とする作品のご応募をお待ちしております。

受賞・入選作品、賞金について

  • 以下のとおり、受賞・入選作品を選出予定です。
  • 受賞・入選作品は、国立新美術館で12月に開催予定の【シェル美術賞展2019】で展示されます。
グランプリ・・・・・1点・賞金100万円
審査員賞・・・・・・5点・各30万円
学生特別賞・・・・・1-2点・各10万円
入選・・・・・・・・約46点
オーディエンス賞・・1点  賞状
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  • ※賞金は源泉税込みとなります。
  • ※賞の内容、点数および賞金額は、変更となる場合があります。

実施予定内容について

昨年の様子は、シェル美術賞アーカイブをご覧ください。
シェル美術賞アーカイブ

シェル美術賞の応募実績

応募作家数応募作品数
シェル美術賞2018 593名 839点
シェル美術賞2017 606名 852点
シェル美術賞2016 570名 791点
シェル美術賞2015 552名 807点
シェル美術賞2014 564名 815点
シェル美術賞2013 698名 1,001点
シェル美術賞2012 840名 1,226点
シェル美術賞2011 903名 1,291点
シェル美術賞2010 950名 1,410点
シェル美術賞2009 1,093名 1,666点
シェル美術賞2008 1,144名 1,700点
シェル美術賞2007 1,076名 1,616点
シェル美術賞2006 903名 1,357点
シェル美術賞2005 917名 1,418点
シェル美術賞2004 801名 1,254点
シェル美術賞2003≫2004 1,002名 1,665点
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