サステナブル調達ガイドライン

はじめに

出光グループは、経営ビジョン及び行動指針に基づき調達基本方針を定めています。

この中で「サステナブル調達ガイドライン」を定め、お取引先とサステナビリティに関する取り組み状況について情報交換を行い、相互のレベルアップに努める、という方針を示しています。

当ガイドラインは,当社の経営ビジョン、行動指針、調達基本方針を上位規程とし、国際的なフレームワークなどに基づき策定したものです。お取引先におかれましても本ガイドラインに基づくお取り組みを頂き、皆さまのお取引先へも展開していただきますようにお願いいたします。

1.組織統治

(1)法令遵守

事業活動を行うにあたっては、各種法令を遵守する。

事業活動において国内のみならず各国・各地域の法令を十分調査して遵守する。国際取引において条約、協定などの国際ルールを遵守する。

(2)個人情報の漏洩防止

顧客・取引先・自社従業員等の個人情報を適切に管理・保護する。

個人情報に関する全般的な管理の仕組みを構築し運用する。従業員等の遵守すべき規範や方針の作成、それらに基づく計画立案、施策実施、自主点検および見直しを含む。また、個人情報を不正または不当に取得、利用、開示または漏洩しない。

(3)知的財産権侵害の排除

他者の知的財産権を侵害しない。

製品、サービスの開発・生産・販売・提供などを行う場合は、第三者の特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、営業秘密等の知的財産の事前調査を十分行い無断利用を行わない。また、金型図面やコンピュータソフトウェアその他の著作物の違法な利用・複製等も行わない。第三者の営業秘密を違法な手段で入手・使用しない。

(4)不正行為の予防・早期発見

不正行為の予防、早期発見および対応の制度を整える。

不正行為を予防するため、従業員への教育、啓発を行うとともに、風通しの良い職場風土を作る。不正行為の早期発見対応のため、社内や社外に不正行為に関する通報窓口を設置するなど、経営者が不正行為を早期に発見できるように努める。また、通報者の秘密を守り、適切に保護することに努める。

(5)コンピュータ・ネットワーク脅威に対する防御

コンピュータ・ネットワーク上の脅威に対する防御策を講じて、自社および他者に被害を与えないように管理する。

コンピュータウィルス、コンピュータワーム、スパイウェアなどによる当該パソコンに保存されている顧客情報、機密情報の流出、他社のコンピュータへの攻撃、業務停滞や信用失墜などの重大損失を防ぐため対策を講じる。

(6)情報公開

法令等で公開を義務付けられているか否かを問わず、ステークホルダーに対して積極的に情報提供・開示を行うように努める。

事業活動の内容、財務状況、業績、リスク情報(例えば大規模災害による被害、環境や社会への悪影響の発生、重大な法令違反などの発覚)等をステークホルダーに対して積極的に情報提供・開示を行うように努める。

2.人権

(1)人権尊重

基本的人権を尊重する。

憲法、法令、国際的な基準に従い、差別や人権侵害を行わない。 またプライバシーを尊重する。

(2)強制労働の禁止

すべての従業員をその自由意思において雇用し、また従業員に強制的な労働を行わせない。

強制的な労働とは、自らの意思によらないすべての労働のことである。 例えば、次のようなものを指す。

  • 本人の意思に反して就労させる強制労働
  • 借金等の返済のために離職の自由が制限される債務労働
  • 人身売買の結果として行われる奴隷労働
  • 囚人であれども過酷な環境における非人道的な囚人労働
  • 自由な離職の権利がない労働
  • 身分証明書・パスポート・労働許可証の雇用者への預託を義務付ける労働

(3)児童労働の禁止

最低就業年齢に満たない児童対象者を雇用せず、また児童の発達を損なうような就労をさせない。

児童労働とは、一般論としてILO(国際労働機関)の条約・勧告に定められた最低就業年齢に満たない者を雇用することや、若年労働者の保護を怠ることを指す。 例えば、日本国内においては、15歳未満の者を雇用することや、若年労働者保護のための法令に違反することも、禁止されている児童労働にあたる。健康、安全、道徳を損なうおそれのある就業から若年労働者を保護する法規制の例として、夜間労働や危険作業などの制限があげられる。 海外においても、法令で定められた最低就業年齢に満たない者の雇用や保護義務違反は児童労働にあたる。 また法令の定めのない国では、ILOの最低年齢条約・勧告に反する行為は児童労働にあたる。(最低就業年齢の原則は15 歳:ILO条約第138号。)

(4)ハラスメントの禁止(非人道的取り扱いの禁止)

従業員の人権を尊重し、虐待や各種ハラスメント(嫌がらせ)をはじめとする過酷で非人道的な扱いを禁止する。

虐待、体罰、いじめ、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)、パワーハラスメント(暴言による嫌がらせや威圧的行為)などを禁止する。

3.労働慣行

(1)労働時間の適切な管理

法定限度を超えないよう、従業員の労働時間・休日・休暇を適切に管理する。

適切な管理とは、次のような行為を指す。

  • 年間所定労働日数が法定限度を超えないこと
  • 超過勤務時間を含めた1週間当たりの労働時間(緊急時、非常時を除く)が法定限度を超えないこと
  • 1週間に最低1日の休日を与えること
  • 法令に定められた年次有給休暇の権利を与えること

(2)ダイバーシティの尊重

個人の多様性、個性、人格を尊重する。

個人が持つ能力を最大限に発揮できる環境を整えるとともに、公平・公正な立場で機会均等を確保する。また、人材の多様性を活かす取り組みを行うことで、企業の成長と自己実現の達成を目指す。社内だけでなくすべてのステークホルダーに対して、ダイバーシティとインクルージョンに関する全社方針を尊重する。

(3)労働安全衛生管理体制

労働災害および労働疾病の状況を把握し、適切な対策を講じる。

安全衛生に関するマネジメントシステムに基づき労働災害および労働疾病について社内の報告体制が確立されており、分類や記録、必要に応じた治療の提供、調査、原因排除に向けた是正対策の実行、従業員の職場復帰の促進などを可能にする体制が整っている(労災保険への加入なども含む)。 また、法令の定めに応じて、行政に対する必要な手続きを行う。

(4)安全衛生教育・指導

安全衛生教育を徹底し、安全衛生意識と知識を啓発する。

職場及び施設の安全衛生を確保するとともに、安全衛生に関する規則や緊急時対応のための手順書を整備し、従業員に対する教育・指導を通じて周知徹底を図る。

(5)従業員の健康管理

全ての従業員に対し、適切な健康管理を行う。

法令に定める水準において健康診断などを実施し、必要に応じ再検査、精密検査等のフォローアップをおこなうことにより従業員の疾病の予防と早期発見を図る。あわせて過重労働による健康障害の防止やメンタルヘルスなどのケアについても十分に配慮する。

(6)差別の禁止

求人・雇用における差別をなくし、公平の実現に努める。

労働者を、その仕事の能力に基づいて雇用しなければならない。職務上の地位、雇用形態、年齢、性別、学歴、出身地、国籍、人種、障がい、思想信条、宗教、性的指向、性自認、結婚の有無、組合への参加・不参加、又はその他の状況による差別をしてはならない。また、能力・適性・成果などの合理的な要素以外により、採用・昇進・報酬・研修受講などの機会や処遇に差を設けてはならない。

(7)結社の自由と団体交渉権の承認

労働環境や賃金水準等の労使間協議を実現する手段としての従業員の団結権を尊重する。

報復・脅迫・嫌がらせを受けることなく結社する自由、団体交渉の権利、労働組合に加入する自由など、従業員の雇用において事業活動を行う各国・各地域の適用法令に配慮する。

(8)適切な賃金

従業員に少なくとも法定最低賃金を支払い、また不当な賃金減額を行わない。

賃金関連法令で定められた最低の賃金、超過勤務手当や法定給付を含むその他の手当を支払い、労働関連法令等に違反する賃金減額を行わない。

4.環境

(1)環境に関するマネジメントシステム

環境に関するマネジメントシステムを構築し、運用する。

環境に関するマネジメントシステムにおいて環境活動を推進するための担当役員・組織・内部監査体制が明確になっており、環境方針を作成し、その施策がPlan(計画),Do(実施),Check(点検),Action(是正処置)のPDCAサイクルにより継続的に改善されている。

(2)原材料のグリーン調達

グリーン調達を推進する。

「環境基本法」「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」等の国内の法律、条例、および国際条約等に基づき、環境への負荷を低減することを目的としたグリーン調達を推進する。また、違法伐採を原料とした製品・部材を調達しない。

(3)気候変動への対応(地球温暖化防止)

地球温暖化防止のため省エネルギーを推進する。

熱や電力エネルギーの使用の合理化を図ることにより省エネ法に基づくエネルギー使用原単位の削減に努める。また、ソーラーエネルギーなどの再生可能エネルギーを積極的に活用する。

(4)生物多様性保全への取り組み

生物多様性に配慮した企業活動に努める。

生物多様性の重要性を認識し、全ての新規事業や既存事業の大幅な変更の前に生物多様性に対する影響の可能性を含めた環境への影響を確認する。また、保護地区の基本概念を尊重し生態系維持への活動に努める。

(5)資源の有効活用(3R)

3Rを推進する。

製品への材料使用量および廃棄物の削減、ならびに再生資源および再生部品の利用を促進すること等によりReduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源)の3Rを推進し資源の有効活用を図る。

5.公正な事業慣行

(1)独占禁止法の遵守

自由で公正な競争を通じて業務を遂行する。

独占禁止法、景表法、下請法および不正競争防止法等の競争関連法令を遵守し、自由で公正な競争を通じて業務を遂行する。
いかなる状況であっても、競争関連法令の意義を理解し、不当な取引制限(カルテル)や、再販売価格の拘束、優越的地位の濫用等、自由で公正な競争を阻害するおそれのある行為は行わない。

(2)輸出規制の遵守

国際社会の平和や安全の維持の観点から、輸出に関する規制を遵守する。

国際社会の平和や安全の維持の観点から、外国為替および外国貿易法が規制する紛争地域等特定の地域への特定貨物の輸出行為や、指定技術・役務の提供などの輸出に関する規制を遵守する。

(3)公正な取引

取引先に対し、常に公平かつ公正な立場を保ち、関係法令および規則、手順等に従って業務を遂行する。

業務遂行にあたっては、常に条件を明確にした契約内容に従って誠実に行動する。公正な調達活動を維持することにより、取引先との相互の信頼関係・協力関係を強化しつつ、互いのコスト競争力を高め、相互研鑽を図る持続的パートナーシップを構築する。
調達活動においては、国内・国外に拘らず門戸を開放し、調達先の選定・評価においては、経済合理性を重視しつつ、品質、技術開発力、納期、信頼性、安全性、アフターケアおよび環境保全への取組みも加味した総合的見地から判断する。
商品やサービスの調達にあたっては、常に公平な競争を念頭におき、高圧的な態度や無理難題を押し付けることなく、調達関連規則に基づいて公平かつ透明な手続きを行う。

(4)汚職・贈収賄防止

贈賄や違法な政治献金などを行わない。

いかなる形であれ、また業務上の利益、便宜供与等の見返りを求めるか求めないかに関わらず、公務員に対する賄賂の提供、支払等を行わない。

(5)贈答・接待の制限

取引先との間の贈答や接待は、原則として行わない。

取引先との取引条件を優位に進めるための過剰な接待や社会的儀礼の範囲を超える贈答や、業務上の有利な立場を利用して贈答・接待の提供を求めることはしない。また、このような誤解を受けかねない行為も行わない。

(6)反社会的勢力の排除

反社会的勢力に対しては毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断する。

反社会的勢力とは暴力・威力や詐欺的手法を使って経済的利益を追求する集団・個人をいい、暴力団関係者や総会屋、またその周辺でこれらの威を借りる団体や個人に限らず、クレーム・苦情また政治運動や社会活動を仮装した活動や経済的取引等を用いた社会的相当性を欠く要求行為、法的な責任を超えた不当な要求をする団体・人物が対象となる。反社会的勢力からのアプローチに対しては、毅然とした態度で臨み、警察などの機関と連携して関係遮断を徹底する。反社会的勢力からの不当な要求には絶対に応じない。

(7)紛争鉱物への対応

コンゴ民主共和国などの紛争地域で産出される「紛争鉱物」の製品への使用状況を把握する。

紛争鉱物とは米国で成立した「金融規制改革法」において、タンタル、すず、金、タングステン、そのほか米国国務長官が指定する鉱物の事をいう。
コンゴ民主共和国などの紛争地域で産出される鉱物の一部は非人道的行為を行う武装勢力の資金源になって紛争を助長する、あるいは、人権侵害を引き起こすなどの可能性があるため、その使用状況を把握する。

6.消費者課題

(1)化学物質管理

法令等で指定された化学物質を管理する。

法令等で含有禁止に指定された化学物質を含有した製品や原料を調達しない。また、法令等に基づき製造工程における化学物質の移動量を把握し報告する。

(2)製品安全性の確保

製品開発を行う場合、各国の法令等で定める安全基準を満足する。

製品開発を行う際には、十分な製品安全性を確保し、製造者としての責任を考慮して販売する。また、製品の安全性については法令遵守に加え、通常有すべき安全性についても配慮する。製品安全性の確保のためトレーサビリティ(材料・部品・工程などの履歴)などの管理および問題解決に向けた迅速な対応体制を構築する。

(3)品質マネジメントシステム

品質マネジメントシステムを構築し、また運用する。

品質保証活動を推進するための組織体制・計画的活動・責任分担・慣行・手順・プロセス・経営資源を含んだ品質マネジメントシステムを構築し、PDCA サイクルを回しながら継続的改善を行う。

(4)正確な製品・サービス情報の提供

消費者や顧客に対して、製品・サービスに関する正確な情報を提供する。

製品やサービスに関する仕様・品質・取扱い方法が正確であること。製品に使用されている部材・部品の含有物質等の情報が正確であること。製品やサービスに関するカタログ等の表示および広告宣伝においては、事実 と異なる表現や、消費者や顧客に内容を誤認させる表現を行わず、また他の企業や個人の誹謗中傷、権利侵害等の内容を含まないこと。

7.社会貢献

(1)社会・地域への貢献

国際社会・地域社会の発展に貢献できる活動を自主的に行う。

企業の経営資源を活用したコミュニティーへの支援活動を行う。

  • 本来の業務や技術などを活用した社会貢献
  • 施設や人材などを活用した社会貢献

など。

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