アスファルトとは？

アスファルトとは

アスファルトには原油を蒸留して製造する「石油アスファルト」と天然に存在する「天然アスファルト」があり、日本では一般に石油アスファルトが「アスファルト」と呼ばれています。出光興産では原油の蒸留、すなわち石油製品の製造過程においてアスファルトが得られることを生かし、事業として取り組んでいます。
アスファルトの色は暗褐色ないし黒色で、常温では固体～半固体～粘性の高い液体で、熱を加えると柔らかくなる性質を持ちます。石油製品である「アスファルト」を“つなぎ”とし、石や砂と混合したアスファルト合材は道路の舗装に用いられており、日本ではアスファルト合材やアスファルト舗装もアスファルトと呼ばれています。

アスファルト利用の歴史

アスファルトは、現在では道路舗装など身の回りの多くの場所で使用されていますが、人類の歴史においては古来より接着剤、防水材として利用されてきました。天然アスファルトは、自然に存在する原油の軽質分が蒸発して残ったものと考えられています。例えば縄文時代の日本では、接着剤として天然アスファルトが使用されたことが分かっているほか、青森県、秋田県、新潟県などの遺跡からは、天然アスファルトが付着した矢尻や、アスファルトで補修された土器や土偶が多数、出土しています。

アスファルトの代表的な使用用途

日本で使用されるアスファルトの約8～9割は道路舗装に、約1割は防水材料に活用されています。他にも、建築杭、自動車制振材、海底ケーブル保護材など、様々な用途で使用されています。

アスファルトの種類

原油の蒸留過程で得られる石油アスファルトには、主に一般道路に用いられる「ストレートアスファルト」、ストレートアスファルトより硬くして建築材料や工業製品として使いやすくした「ブローンアスファルト」、お客様のご要望により硬さなどを調整した「高機能アスファルト」があります。特に高機能アスファルトは耐久性が求められる高速道路や長寿命の屋根防水材料、リサイクル材への活用など、用途は多岐に渡ります。

ストレートアスファルト

主に道路や駐車場の舗装に利用されます。道路舗装は石、砂、石粉、ストレートアスファルトを混合したもの（アスファルト合材）でできています。「アスファルト」という言葉からイメージされるのは道路や舗装ですが、実はほとんどが石や砂であり、アスファルトの構成比率はわずか5～6％ほどです。この少量のアスファルト（アスファルトバインダー）が石や砂を接着・固定し、荷重を分散したり、雨水を遮断したりする役割を担っています。

ブローンアスファルト

高機能アスファルト

ストレートアスファルトにゴムなどを加え、性能を向上させたアスファルトです。国道や高速道路、空港などの重交通道路に使用されます。一般的なストレートアスファルト舗装に比べ舗装寿命が1.8倍以上あり、舗装のライフサイクルコストや舗装工事の頻度低減、それによる温暖化ガスの低減に貢献します。
このほか、リサイクル可能なアスファルト舗装などに使用する再生用添加材などがあります。

景観舗装・明色舗装

「道路＝黒」だけではありません。観光地や歴史的な街並みから近未来的な建造物まで、あらゆる景観に調和する舗装を提供します。顔料によるカラー舗装だけでなく、地域で産出される天然石や貝殻なども舗装に使うことができます。また、一般的な黒い舗装より舗装表面が8～10℃温度低下することを確認しており、路面に近いお子様やベビーカーの赤ちゃんにも優しい舗装が可能です。

舗装再生

道路舗装は、車両通行や紫外線、降雨などでひび割れやわだち掘れが発生するため、定期的に更新が必要です。補修工事で剥がした古い舗装材は再利用可能な資源として回収・破砕され、サイズごとに分けられたうえで、最終的にアスファルト混合物や路盤の材料に再使用することができます。道路の補修作業で生じるアスファルト発生材のリサイクル率（国内）は、2012年以降から約99％となっています。
補修工事で剥がした古い舗装材にはアスファルトが付着しており、このアスファルトは長年の紫外線や雨水で酸化・組成が変化し、硬く脆くなっているため、アスファルト本来の硬さに調整する必要があります。出光興産の再生用アスファルトや再生用添加剤は、硬く脆くなったアスファルトの性状を回復させ、アスファルト本来の品質に回復させます。